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豊島教会新聞 2021年11月号 主任司祭 巻頭言

 

 『 旧約聖書続編 (アポクリファ) 』        

 

                           主任司祭 アシジの聖フランシスコ  田中隆弘

 

11月の第3日曜日から第4日曜日までは 「聖書週間」 です。神の愛を知り、神の心を受け取るために、

 わたしたちは新約聖書と旧約聖書を神のことばとして読み、大切にします。 「聖書週間」 はこの聖書に 「より強い関心を持ち、親しみ、神の心を生きる」 ようになるための週間です。

 

 この「聖書週間」を前にして思い出すことがあります。神学校時代のことですが、当時試験は筆記試験ではなく口答試験が多数ありました。先生と一対一の面接の中で、先生の質問に応えていくという試験でした。

 

 そんななかで、ある先輩の聖書学の口答試験での失敗談が、「教訓」 として後輩に代々語り伝えられていたものがありました。それは旧約聖書のある科目の試験だったそうです。先生からある聖書の箇所の説明をもとめられたとき、自分のテーブルの上に先生が用意しておいてくれた聖書ではなく、自分が使いなれた持ってきた聖書を開きました。そして、その箇所を探しますが、なかなか見つからず困っていると、先生は悲しそうな顔をして、その箇所はアポクリファだから、あなたの持参した日本聖書協会の聖書にはないと告げ、もう帰ってよいと言われたそうです。  

 

 つまり、カトリックは聖書と認めているが、プロテスタントでは認められていない外典が七巻あるので、日本聖書協会は「旧約聖書続編付き」 聖書として別に出版しているのです。 神父になろうとしている神学生がこれですからという訳ではありませんが、一般的に言ってカトリック信者は聖書をあまり読んでいないようです。

 

 しかし、現在のカトリック教会は特に第2バチカン公会議後、人々に聖書を読み親しむようにとすすめています。

その一つが 「聖書週間」 ということかもしれません。わたしたちクリスチャンは自分たちを 「神の民」 と時々表現します。

しかし、その神の民の信仰の伝承が書かれているのが聖書であり、わたしたちはその伝承に生きる民、「聖書に生きる民」 でもあるわけです。

 日々聖書に親しみ、聖書に生きることによって 「目を覚ました」 者として共々にあれますように、聖母マリアのとりつぎを願いましょう。