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豊島教会新聞 2016年11月号 主任司祭 巻頭言

 

   「セピア色の家族写真」

                     主任司祭 アシジの聖フランシスコ  田中隆弘

 

 季節は秋、そして秋の楽しみの一つに「紅葉」があります。前任の神田教会時代は紅葉の見ごろになると、いつもの散歩コースの一つであった皇居東御苑、二の丸庭園をめぐっていました。二の丸雑木林は、はコナラ、クヌギを中心に、モミジ、ハゼノキなどの中低木や、ムラサキシキブ、ウメモドキ、エゴノキなどが植えられています。都心にいることを忘れるほどの美しい紅葉が楽しめます。(車両進入禁止がいいですね)

 さて、わたしたちカトリック教徒にとって、11月は「死者の月」 帰天した方々のために 特に祈る月でもあります。 わたしも帰天した家族のために祈りたいと想いますが、わたしの司祭館の寝室には、一枚の写真があります。それは、わたしが4才、弟が6ヶ月の時 上棟式記念の写真です。中央に祖母と母、祖父はわたしを、父は弟を抱いて、バックは上棟式の建物が写っているセピア色の家族写真です。 祖父母、父母の笑顔が、とても気に入っている写真です。

 わたしたち兄弟は、その新築される家(子育のために建てられた家)で育った訳ですが、それを 寝室に入ると自然とながめます。いまは祖父母、父母も帰天していますが、家族からいただいた愛情はいまでも、わたしの大きな支え、になっています。

 ちなみに、おすすめとして、話しは少しズレてしまいますが、身のまわりには、自分にとって、プラス肯定的な感情を呼び起こすモノが、適当にあると いいのかもしれません。逆に自分を 否定してしまう、マイナスになるような感情を呼び起こすモノは、なるべく置くことなく 処分してしまうほうがよいのかもしれません。

家に帰って来て、部屋に入ってきて、「幸せ」を感じられるものに満たされている ことは とても大切なことと想います。わたしにとって、寝る前に、起きた時に 家族写真を観ることは日々「家族」を想い起こすためであり、同時にプラスの肯定的エネルギーをもらう、ということになっているような気がします。