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豊島教会新聞 2017年5月号 主任司祭 巻頭言

 

見失った一匹のモモンガ

                                                                                                                                                                                      主任司祭  アシジの聖フランシスコ 田中 隆弘

 

  つい最近のことでしたが、教会近くの電柱に「迷いネコ」ではなく、「迷いモモンガ」を探しています、というポスターが貼られていました。見つかったらはがしますので、よろしくお願いします、とありました。

  その「モモンガ」は「フクロモモンガ」とのことでした。しらべてみると、フクロ(袋)モモンガは有袋目フクロモモンガ科フクロモモンガ属の動物で、カンガルーの仲間になるようです。体長は12~15cmほどで体長と同じくらいの長さの尻尾を持っているそうです。オーストラリアの内陸以外の地域、ニューギニア諸島に生息している、とのことです。

 

  写真を見るとリスのようでした。そして、名前は「ンガ」とありました。「モモ」ではなく「ンガ」とは!!  と驚き、失礼ながら少し呆れました。でも見失ったのが東中野のサミット(ここからですと、徒歩37分)とのことで、ここまで探しているのはよほど大切にしている「ンガ」なのだなあと感心しました。

 

  ヨハネ福音書21・15で、ペトロは復活したキリストに「この人たち以上にわたしを愛するか?」と問われます。「愛しています!! 」と答えた時、イエスははじめて「わたしの羊の世話をしなさい。」と言われます。イエスに対する何ものにも増しての「愛」が使徒職には必要ということでしょう。大好きで大好きでしょうがなく、だまっていることができないくらいのイエス・キリストへの愛が必要なのです。そして、そのイエス・キリストが共にいてくれなくては、と思う愛が必要なのです。

 

  モモンガが迷子になり、いっしょうけんめい探すように。そうではなく、わたしたちがイエス・キリストが共にいなくても平気ならば、何日も祈ることも、聖書を読むこともないのなら・・・。残念ながら使徒の資格はないのでしょう。共々に各自の使徒職のために聖母マリアに取り次ぎを願いましょう。

 

   しかし、それにしても余計なお世話ですが「ンガ」ではなく「モモ」のほうがよいと思うのですが・・・。