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豊島教会新聞 2023年8月号 主任司祭 巻頭言

 

 『  全ての人は平和について祈り 働く 義務がある 』  

  

  主任司祭 使徒ヨハネ 田中 昇

 

  この季節、日本の教会は、毎年決まって平和について特別に祈るよう私たちを招いています。

私たちは自身の地域社会、職場、家庭、教会共同体の平和的な存在のためにどのように生きているでしょうか。戦争がなくなればいいとか淡い思いを抱き、イベントのように宗教行事をやって、スローガンを掲げ行進や座り込みなどの運動をやって達成感を得てただ単に満足しているとしたら、それはいわゆる「宗教」 をやっていることであって本来キリストが信仰者に求めたこととは違うように思います。

まず先に、私たち自身の中にある、思想・考え方、倫理観、対人関係、社会状況や思想などさまざまな情報の理解の仕方を、福音、神の愛と真理に照らしたものとするよう努めることが第一です。社会の福音化は、私たち一人ひとりがキリスト教の倫理観・正義を生きる、また人間の尊厳理解を生きて証していく必要があります。

世俗の価値観や偏向報道、極端な政治的イデオロギーなどにキリスト者が染まってしまっていたのでは、どんなイベントやお祈りをしたとしても社会における福音のパン種になることなど不可能です。

その意味で、私たちのミッションの責任は重大なのです。宣教とは単純に教義を理解させることではなくキリストの思いを生きることを通して実現されます。

それゆえ世界平和は私たちの平和から始まることを覚えておくべきでしょう。私たちの共同体が、まずもって主の平和を生きるものとなれますように。

( 週報としま第1053号より)