豊島教会新聞 2024年2・3月号 主任司祭 巻頭
『 豊島教会の生みの親である聖コロンバン会のことを思う 』
主任司祭 使徒ヨハネ 田中 昇
昨年、聖コロンバン会は日本宣教75年を迎えました。
その翌年、聖コロンバン会のイニシアティブで豊島教会が小教区として設置され今年で75年目を迎えます。
小教区の歴史をみると、日本社会の人口動態の変遷はあったものの、聖コロンバン会が小教区の司牧を主導していた時代、この小教区は最も栄えていたことは数字の上でも明らかです。
豊島教会が東京教区のもとに置かれて以来、小教区の情勢は緩やかな衰退傾向にあります。せっかく宣教師たちが必死な思いで来日し、苦労して小教区を設置、司牧に情熱を注いできたにもかかわらず。この結果を帰天された多くの宣教会の司祭たちはどう思っているでしょうか・・・。
今年、私たちは75年の節目の年を迎えています。私たちは共同体として神様への信仰そのものを養い育ててきたでしょうか。宣教的で愛徳に溢れる共同体となっているでしょうか。
多くの主任司祭は記念誌を作ったりイベントしたりすることが大好きです。しかし正直、私は消極的です。それは単に過去への追憶と軽々しい言葉で感謝するだけに終わってしまい、後に何も残らない危険があるからです。形ばかりの行事はもう十分です。それよりも、私たちは今、そして未来を見据えて、教会共同体として中身のあること、つまりより霊的に、内的に成長するための新しい決意と努力をしていかなければならないように感じます。私たちがより豊かに信仰を伝えていける共同体になること。それこそが、小教区の設立に情熱を注いだ宣教師たちへのほんとうのお礼、感謝のしるしであろうと思います。