豊島教会新聞11月号 主任司祭 巻頭言
司式司祭はアルバとストラの上に カズラを着用する
主任司祭 アシジの聖フランシスコ 田中隆弘
日本では2015年の待降節第1主日(11月29日)から、「新しいローマ・ミサ典礼書の総則に基ずく変更箇所」が実施されます。このため、豊島教会のミサにおいても変更することになります。いままで、9:30主日ミサにおいて司式司祭の着用する祭服は「アルバ」と「ストラ」でしたが、11月29日(日)より「アルバとストラの上にカズラを着用する。カズラの上のストラは着用できない。」ことになります。この機会に、「アルバ」「ストラ」「カズラ」について学んでおきましょう。
[アルバ(Alba)}
アルバとは、もともとローマ人たちが下衣として用いていたもので、白い布で作られた全身をすっぽりとおおう長服のことです。ラテン語のアルバ(Alba=白い)という形容詞に、この名称の由来があります。洗礼を授かった新信者は、白衣を一週間、身につける習慣がありました。アルバは洗礼の恵みのしるしであると同時に、「清い心を持って神に仕えたい」という望みを表しているとも言われています。そして、アルバは司教、司祭、助祭だけではなく、「すべての奉仕者に共通の祭服」とされています。
[ストラ(Stola)]
ストラという名称は、ギリシャ語で十字架を意味するスタウロスという言葉から来ています。スタウロスは厳密に言えば、十字架の横木を指しているとも言われています。そのためかストラは、十字架の横木のように細長い帯のような形をしており、それを担っているしるしとして肩に掛けられています。このストラは、叙階の秘跡によってキリストの代理者としての役割を果たす司教と司祭に固有な権能を示すしるしとされています。また助祭もストラを着用しますが、その掛け方は司教や司祭とは違い、奉仕のために右手が自由に使えるように左肩から斜めにかけ、右わきで留めます。
[カズラ(Casula)]
カズラという名称は、ラテン語で「小さな家」を意味するカーザ(Casa)という言葉に由来すると考えられています。カズラは、ちょうどテントのような円形をしており、頭が出るように中央部分をくりぬき、ゆったりと体全体をおおう祭服です。 カズラは、首を中心にしてどの方面にも廻すことができるため、別名プラネタ(Planeta:惑星)とも呼ばれています。このカズラは、「神の家」に集まった神の家族の中で、だれが司式者であるのかを示すために用いられ、司教や司祭に固有な祭服です。また、カズラを着用する際は、通常、ストラはカズラの下 に着けます。
『香部屋係りのハンドブック』より