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豊島教会新聞 2016年9月号 主任司祭 巻頭言

 

   手にはしっかりとロザリオ

                 主任司祭 アシジの聖フランシスコ 田中隆弘   

 

  昔々のことですが、夏休みに弟夫婦の一番上の女の子(当時小学生)が奥さんの姉の嫁ぎ先の山形に、10日ほど行くことになり、一人で生まれて初めての飛行機で出発したことがありました。その時、ちょうど台風が日本に近づいたそうで、直前まで出発するかどうかわからない状況だったようです。一人飛行機に搭乗させるだけでも不安だった訳ですが、そのような状況だったので不安が増して、欠航になればと思ったそうです。残念ながら飛行機が予定どうりにでることがわかった時、送りに行ったお母さんが子どもを見ると、手にはしっかりとロザリオをにぎりしめていたそうです。いつもはそれほど熱心ではないのですが・・・・。

しかし、教会学校でシスターから、そうゆう時はロザリオを持って行くこと、そしてマリア様に祈るように言われていたそうで、その子はその時がそうだったと思い持参したロザリオを手にしていたそうです。あとで聞いたところによれば、飛行機が飛んでいるあいだはロザリオを握りしめていたそうです。やはり、親が信じ、また教会学校などで、その信仰の先輩や仲間のなかで育っていくことを親が選択した小さな結果と言えるのではないでしょうか。

 ヨゼフもマリアも同じ「イスラエルの慰められるのを待ち望む者たち」でした。少年イエスはそのような両親の子として、そのような環境のもとにたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていたのだと思います。